クリスマス -小レポ集-
クリスマスとは?
キリスト教に先立つユダヤ教の暦,ローマ帝国の暦,およびこれらを引き継いだ教会暦では日没を一日の境目としているので,クリスマス・イヴと呼ばれる12月24日夕刻から朝までも,教会暦上はクリスマスと同じ日に数えられる.そのためミサは24日の夜間に行うところが多い.
クリスマスの歴史
コンスタンティヌス1世が皇帝になった時代,これまでキリスト教を迫害していたローマ帝国においてミラノ勅令により公認されるようになった.キリスト教がローマ帝国領であったヨーロッパへ浸透するきっかけとなり,冬至の日とイエスの降誕(本来は誕生日ではない)を結び付けることにした.この際に参考にしたのがローマ帝国のミトラ教(ミトラス教)であり,クリスマスとして祝うきっかけになった.
日本でのクリスマスの歴史
1926年(大正15年)12月25日に大正天皇が崩御してから大正天皇祭(12月25日)が設定され,「国民の祝日に関する法律」が施工されるまでクリスマスが祝日となり,習慣化されたとされる.また,1910年(明治43年)に創業した不二家が,1952年(昭和27年)にクリスマスセールを始めたことにより生クリームたっぷりのクリスマスケーキの文化が導入されている.歴史的背景からも,現在の日本のクリスマスは商業的な点が多い.
イギリスのクリスマス
25日のクリスマス・デーと翌日のボクシング・デーは祝日になっている.ロンドンでは25日には地下鉄,バス,列車など全ての公共交通機関の運行がストップし,キリスト教徒が経営する店も閉店になる(クリスマスに外出するのは教会に行く程度である).そして伝統的に家族と過ごすイベントであり,日本でいうところのお正月と同様にクリスマス・イヴに帰省する人が多い.家族で七面鳥を食べ,プレゼント交換も行うが,プレゼント交換は悩みの種でもある.クリスマスケーキも食べる習慣もあるが,ドライフルーツがたくさん入ったクリスマスプディングを食べるのが特徴である.また日本の年賀状のように季節のご挨拶状としてクリスマスカードを書くが,リスマス・デーの2〜3週間前から投函する人もいてやり取り期間が非常に長く(ただしクリスマス・デーを過ぎるのはNG),受け取ったカードは壁に貼ったり暖炉の上に置いたりして飾りつける.クリスマスカードやクリスマスツリーなどのデコレーションは,新年の1月6日まで飾り付ける.
アメリカのクリスマス
アメリカでは25日が祝日なため25日に祝う.25日朝に子供達へのプレゼント(日本とは違い大量のプレゼントをクリスマスツリーの足元に置く)を家族一同で開け,豪華なランチもしくはディナーもその後に行い,ローストビーフやローストハムを振る舞うことが多い.イギリスと同様にクリスマスカードのやり取りもあるが,宗教的中立の観点から相手によっては表現に気をつけている.クリスマス精神の一つに「Giving」の考え方があり,チャリティ活動が急増する時期でもある.